【オプションとは?】オプション取引のい・ろ・は①基礎・概念編

シン

皆さんこんにちは!インベストCEです。今日のお話は理解がし難いオプション取引についてです。オプション取引をなるべく簡単にお話したいと思っています!

普段私はインデックス投資をしていて、基本はETF&投資信託のBuy & Holdを基本戦略にあげていますが、実はオプション取引について理解を迫られる状況になりました・・・。

その理由は【QYLD】というETFを購入したからです。ある程度理解してからこのETFを購入しましたが、やはり更なるオプションの知識を身に着けるべく、勉強を開始しました。

オプション取引は非常に奥が深く、まだまだ初歩のことしか学ぶことができていませんが、インプットとアウトプットを繰り返し行っていくことで、理解を深めようと記事にすることにしました。

ぜひ一緒にオプション取引について学んでいきましょう!

【QYLD】のお話は下記記事を参照ください👇

こんな人におススメ!
  • QYLDに投資したいけど、オプションがよくわからない
  • オプション取引をしてみたい
  • 投資の知識を蓄えたい
目次

オプションって何?

オプション』という言葉を聞いたことはありますか?

投資関連の記事を見ていると、時折『コールがぁ~』とか『プットがぁ~』や『SQがぁ~』とかいった話題を目にすることがあるかと思います。

普通に株やETF・投資信託を売買していると、全然馴染みのない言葉・・・。

これ、全部オプションの用語なんです。

オプション・・・、それは平たく言うと『権利』のことを言います。

オプション取引はこの権利を売買する取引のことを言うんですね。

よくわかりませんか?

例えば・・・、こんな『権利』があったらあなたはどうしますか?

例え
  • 3か月後にリンゴを1kgあたり300円で買うことができる権利

こんな『権利』が売っていたらあなたは買いますか?普通は買わないでしょうねwww

しかし、これならどうでしょうか?

例え
  • あなたはジュース屋を経営しています。
  • 現在のリンゴの価格は250円
  • 今年は天候不順のため、このままいくとリンゴの生産が上手く行かず、リンゴの値段がとても上がりそう・・・。
  • 3か月後にリンゴを300円で買える権利が10円

お店を経営している人にとっては仕入れ単価が上がるのは死活問題です。値上げをすれば消費者が離れ、価格を維持すれば利益が減る・・・。なんとしても避けなければならない事態なんですね。

つまり、この『権利』というのは『お約束』のようなもので、上記の例は10円くれたら3か月後に300円でリンゴを売ってあげるよっていうことになります。

さて、このお話の続きですが、2つのケースで説明します。

ケース1 リンゴの価格が上昇した
  • 予想通りリンゴの価格は急上昇。3か月後には500円になっていた。

上記のケースではどうなるでしょうか?

本来であれば、お店の経営のためにリンゴを500円で購入しなければならず、営業利益を圧迫していたことでしょう。しかし、あなたはリンゴを300円で購入できるお約束をしていたので、約束通り300円でリンゴを購入できました。ただ、お約束をしたときに払った10円は戻ってこないので、実際には190円分得をしたことになります。

図を下にお示しします👇

権利があったおかげで、安くリンゴを買えたのがわかりますね!

これはお約束が上手くいったケースでしたね。次のケースは上手く行かなかった場合です。

ケース2 リンゴの価格は上がらなかった
  • 予想に反し天候は安定しており、リンゴの生産は順調。価格は下がり3か月後には200円になった

上記のケースではどうでしょうか?

このままでは、200円で購入できるリンゴを300円で買わなくてはいけません(;´Д`)

差し引き100円分損をします。さらに、お約束の時に10円を払っているので合計で110円も損をしてしまいます。

これでは大損ですね。

でもご安心を。お約束は取り消すことができます。これであなたは損をせずに済みますね・・・。ただし、お約束の代金の10円は返ってきませんよ( ;∀;)

どうでしょうか?権利のことについて何となく理解できましたか?

同様に図を下にお示しします👇

この場合は当然権利を持っていなかった時が一番得をします。権利を行使してしまうと大損ですが、買う権利は取り消すことができます。

買う権利は『保険』として使うことができそうですね・・・。

しかし、実際のオプション取引では当然ですがリンゴのような物は売買しませんwww

売買するのは『権利』の方です。

ちょっと話が難しくなってきましたかね?

つまりこういうことです。

ケース1改
  • まだ期日の3か月には達していませんが、リンゴの価格はグングン上昇。あっという間に450円。
  • 期日にリンゴを300円で買える権利の値段は200円になりました。
  • あなたはここで10円で手に入れた権利を200円で売却することにしました。

さてどうでしょうか?

10円で手に入れた『権利』を200円で売却しました。差し引き190円の儲けです。これにあなたは大喜び!!

ジュース屋をやめてオプショントレーダーになりましたとさ・・・。

そうなんですね、『権利』の値段は日々変化します。また、『権利』は売買できるんです。そしてこの『権利』を売買することをオプション取引と言います。

ちなみに、この『権利』の価格のことをプレミアムといい、権利を行使する価格のことを『権利行使価格』と言います。

まとめ
  • オプション取引とは『権利』を売買すること
  • 『権利』の値段のことをプレミアムという
  • 『権利』を行使する価格のことを権利行使価格という
  • プレミアムの価格は日々変動する

オプションの買い手と売り手

株などの売買と同様にオプション(権利)も当然ながら『買い手』と『売り手』がいます。当たり前ですね。売買というのは相手がいなければ成立しませんwww

オプションの『買い手』は権利を必ず行使する義務はありません。自分にとって不利な状況になったら権利行使を辞退すればいいのです。先ほどの例では、リンゴの価格が200円に下がった時にあなたは300円でリンゴを買うことをやめましたね!

これは権利を放棄したのです。

『買い手』は権利を放棄することができます。

ところが『売り手』はそうもいきません・・・。

先ほどの例では登場人物があなた1人でしたが、実はその裏に『権利の売り手』がいました。

この『売り手』はリンゴが500円になったとき、あなたに300円でリンゴを買う権利を行使された場合は必ず300円でリンゴを売る義務が発生します。つまり、自分で500円でリンゴを買って、あなたに300円で売らなくてはいけないのです。

リンゴだけでみると200円の損ですが、お約束の時にもらったプレミアム代である10円は返す必要がないので、差し引き190円の損失になっていました。

まとめ
  • オプション取引にも『買い手』と『売り手』が存在する
  • 『買い手』は不利な状況下では権利を放棄することができる
  • 『売り手』は不利な状況下でも『買い手』に権利を行使させる義務がある
  • 一度支払ったプレミアム代は返金しない

コールとプット

さて、いよいよ専門用語的なものが出てきました!

その名も『コール』と『プット』です。オプション取引はいくつか聞きなれない専門用語が出てきますが、一応きちんと覚えた方が良いかと思います。

『コール』と『プット』のそれぞれの意味は下記の通りです👇

コールとプット
  • コール:買う権利
  • プット:売る権利

段々と話が複雑になってきましたね~。『買う権利』に『売る権利』

ここがオプション取引をするうえで中々ややこしいところだと思うのでしっかり理解しましょう!

『買う権利』とは先ほど例にあげたリンゴを300円で買える権利です。ですので、『コール』=『買う権利』と覚えられれば、スッと理解できるのではないかと思います。

問題は『売る権利』ですね・・・。

少し例を挙げてみたいと思います。

例 『売る権利』
  • あなたは1台の車を持っていて、1年後に売却を考えています。
  • 現在の車の買取価格は100万円。
  • 1年後はおそらく買取価格は下がるだろうとあなたは考えています。
  • 買取業者から『今10万円払ってくれれば、1年後85万円で買い取るよ』と提案を受けました。

この場合はどうしますか?

あまりないシチュエーションかと思いますが、なるべく生活に沿った話題で例をあげたかったのでご勘弁を(。-人-。)

これもリンゴの時同様に2つのケースを考えます。

ケース1 買取価格が上昇
  • 所持している車に希少価値が付き、1年後の買取価格が120万円になった

この場合はどうでしょうか?

権利を行使してしまうと、85万円でしか売れないので、当然あなたは権利を放棄するはず。『権利の買い手』は権利を放棄できるんでしたよね!

プレミアム代10万円は損をしてしまいますが、買取価格が上がったので良しとしましょうか・・・。

図にすると下のようになります👇

さらにこのとき『権利の売り手』はプレミアム代の10万円がそっくりそのまま利益になりました。

一方でその逆はどうでしょうか?

ケース2 買取価格が下落
  • 予想以上に買取価格の下落が進み、1年後には65万円になっていた。

当然あなたは権利を行使しますよね?普通に売ったら65万円にしかならないのだから、権利を行使し85万円で売った方が良いに決まってます!

となると、買取価格の差額20万円分得をしたことになりますが、支払ったプレミアム代10万円は返金されないので、実質10万円得をしたことになります。

下に図をお示しします👇

もうおわかりかと思いますが、この裏では買取業者が損をしているんですよ?

65万円の価値しかない車を85万円で買い取らなくてはならないのですwww

20万円の損です。が、もらったプレミアム代は返金しなくてよいので実質10万円の損ですね。

そして、『権利の売り手』は権利を行使させる義務があったので、必ず85万円で買い取る必要があります(;’∀’)

『売り手』って結構シビアですね~。

まぁ、リンゴ同様にオプション取引では車を売買したりしません。車を売る権利を売買します。したがって下記のような状況もあり得ます👇

ケース2 改
  • 半年後、車に大きな欠陥がわかり、買取価格は40万円まで下落
  • あなたが所持している『期日に85万円で車を売る権利』はなんと80万円まで値上がりしました
  • ここであなたは権利を売却し、80万円の現金を手に入れることができました

まれなケースかと思いますが、なくはないですwww

10万円で買った『85万円で車を売る』権利が80万円になったんです。差し引き70万円の儲けです。こうしてあなたはオプショントレーダーになり、高級車を買うことができましたとさ・・・。

まぁ、世の中そんなにうまくは行きませんがね(;’∀’)

まとめますね👇

コールにもプットにもそれぞれ買い手と売り手がいますよってことをしっかり押さえておきましょう!

まとめ
  • コール:買う権利
  • プット:売る権利
  • コールとプットそれぞれに『買い手』と『売り手』がいる
  • 『買い手』には権利があり、『売り手』には義務がある

コールとプットの損益関係

さて、オプション取引の基本的な『コール』と『プット』について理解できたかと思います。

では、『コール』と『プット』はそれぞれどのようになると利益になるのかを考えていきましょう。

『コール』とはなんでしっけ?

『買う権利』でしたね。

ということは、権利行使価格よりも実際の価格が高くなればなるほど利益は大きくなるということになります。

一方で損失が出る状況はどうでしょうか?

損失が出るのは、権利行使価格が実際の価格よりも高い時です。

が、しかし皆さん覚えていますか?そうです。『権利の買い手』は権利を放棄できるんでしたよね。つまり、『買い手』の損失は最初に支払ったプレミアム代のみということになります。

例として権利行使価格が1000円、プレミアム代が100円のコールを買った場合の損益は図にすると下記のようになります👇

横軸が実価格、縦軸が損益を表しています。

損益分岐点は実価格が『権利行使価格+プレミアム代』である1100円以上になった時になります。

損失は権利を放棄する状況、つまり実価格が権利行使価格よりも低い時にプレミアム代である100円が損失になります。

では逆に、コールの売り手の損益関係はどうなるでしょうか?

売り手の収益源はプレミアム代のみなので、利益は限定されています。あとは、コールの買い手が権利を放棄するような状況になってくれると、売り手はプレミアム代を丸々いただけちゃうわけですね。

コールの買い手が損をする状況になる、すなわち実際の価格が権利行使価格よりも低い時、コールの売り手は利益を上げることができます。

詳細は下図をご覧ください👇

権利行使価格1000円、プレミアム代が100円のコールを売った場合です。

損益分岐点は『権利行使価格+プレミアム代』である1100円です。これ以上実価格が上昇すると売り手は損失を拡大させていきます。

一方で利益はというと、実価格が下がった時ですが、この状況下では買い手に権利を放棄されてしまうので、最初に受け取ったプレミアム代の100円のみというこになります。

コールの買い手・売り手の損益は理解できましたか?

では続いて、プットにいきたいと思います。

プットは『売る権利』でしたね?

ということは、プットの買い手は実価格よりも高く売れれば利益が出ます。つまり、権利行使価格よりも実価格が下がれば良いわけですね。

プットの買い手の損益関係は下図のようになります👇

権利行使価格は1000円、プレミアム代は100円です。

損益分岐点は実価格が『権利行使価格-プレミアム代』の900円になった時ですね。

実価格がこれ以下になるとプットの買い手は利益が上昇していきます。一方で損失は実価格が権利行使価格を超えていってしまった場合ですが、プットの買い手も権利を放棄することができるので、最初に支払ったプレミアム代のみになります。

では、プットの売り手の損益はどうなるでしょうか?

売り手の収益源はプレミアム代のみなので、利益は限定されています。あとは、プットの買い手が権利を放棄するような状況になってくれると、売り手はプレミアム代を丸々いただけちゃうわけですね。

つまり、プットの買い手が損をする状況になる、すなわち実際の価格が権利行使価格よりも高い時、コールの買い手は権利を放棄するために、コールの売り手はプレミアム代を丸々利益としてもらうことができます。

プットの売り手の損益関係は下図の通りです👇

損益分岐点は『権利行使価格-プレミアム代』の900円。実価格がこれ以下になると、プットの売り手は損失を拡大させていきます。

一方で利益は最初に受けっとったプレミアム代の100円のみということになりますね。

まとめ1
  • コールの買い手は『権利行使価格+プレミアム代』以上に実価格が上昇すると利益になる
  • コールの売り手は『権利行使価格+プレミアム代』以下に実価格が下落すると利益になる
  • プットの買い手は『権利行使価格-プレミアム代』以下に実価格が下落すると利益になる
  • プットの売り手は『権利行使価格-プレミアム代』以上に実価格が上昇すると利益になる
まとめ2
  • コールでもプットでも『買い手』の利益は無限大・損失はプレミアム代に限定
  • コールでもプットでも『売り手』の利益はプレミアム代に限定・損失は無限大

ややこしいので表にします👇

買いポジション実価格上昇実価格減少
コール(買う権利)利益(無限大)損失(プレミアム代)
プット(売る権利)損失(プレミアム代)利益(無限大)
買いポジション時の損益
売りポジション実価格上昇実価格減少
コール(買う権利)損失(無限大)利益(プレミアム代)
プット(売る権利)利益(プレミアム代)損失(無限大)
売りポジション時の損益

このまとめを見ると、オプション取引って『買い手』に有利な印象を受けますよね・・・。

でも一概にそうだとも言えないのですが、それはまた後でお話します。

オプション取引は怖い?

先ほどの【まとめ2】でこのようなことを書きました👇

  • オプションの買いは損失限定・利益無限大
  • オプションの売りは利益限定・損失無限大

これ、少しでもオプション取引を調べたりしたことがある人はおそらく絶対聞いたことがある文言なんですが、皆さんこれを聞いてオプション取引を始めるとしたら『買い手』に回りますか?

それとも『売り手』に回りますか?

まぁ、普通に聞いたらおそらく多くの人が『買い手』に回るのではないでしょうか?

だって、買い手は損失限定・利益無限大ですから!

損失は決まっていて、利益が青天井って最高ですよね?

しかし、実際にはそうではありません。確かに、オプション取引の買い手は理論上は利益無限大ですが、実はからくりがあります。

からくりは後でお話するとして、なぜオプション取引をする際に『売り手』が不利だというような文言が出回っているのか。少し調べてみたのですが、どうも証券会社にあるようです。

以前、『ショートストラングル』というオプション取引の手法が流行っていたそうですが、そこでかの有名な『リーマンショック』が起きたそうです。

そうなると、この手法を取っていたトレーダー達はこぞって追証になり、破産をする人が多数でたそうです。そうなると、負債を負ったのは誰か?

そうです。証券会社がその負債を負ったそうです。

そうして、オプション取引の『売り手』には多くの証拠金を求めるようになり、『買い手』有利な情報が世に出回ったらしいですね・・・。

真偽についてはわかりかねますので、ご了承ください・・・。

が、しかし『買い手』の損失は限定的で、『売り手』の損失は無限大なので、リスク管理をきちんとしなくてはいけないということは間違いなさそうですね!

まとめ

長くなったので、今日はここまでにして一度まとめます。

続きは次回の記事にすることにしますね!

まとめ1
  • オプション取引とは『権利』を売買すること
  • 『権利』の値段のことをプレミアムという
  • 『権利』を行使する価格のことを権利行使価格という
  • プレミアムの価格は日々変動する
まとめ2
  • コール:買う権利
  • プット:売る権利
  • コールとプットそれぞれに『買い手』と『売り手』がいる
まとめ3
  • コールの買い手は『権利行使価格+プレミアム代』以上に実価格が上昇すると利益になる
  • コールの売り手は『権利行使価格+プレミアム代』以下に実価格が下落すると利益になる
  • プットの買い手は『権利行使価格-プレミアム代』以下に実価格が下落すると利益になる
  • プットの売り手は『権利行使価格-プレミアム代』以上に実価格が上昇すると利益になる
まとめ4
  • コールでもプットでも『買い手』の利益は無限大・損失はプレミアム代に限定
  • コールでもプットでも『売り手』の利益はプレミアム代に限定・損失は無限大

今回はオプション取引の概念についてお話しました。ちょっと実際のオプション取引とは乖離があるかもしれませんが、今日お話ししたことが、オプションの基礎のようです。

ここを理解できないと、先に進めそうもないので、しっかり理解したいと思います!

もし、記事内に間違い等あったら、ご指摘お待ちしております<m(__)m>

次回はもう少し踏み込んだ内容にしたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

※月並みですが投資は自己責任でお願いいたします。

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この記事を書いた人

アラフォー男子。
東北の僻地に赴任している末端の医療従事者。
2020年に本格的に投資の世界に参戦するも、直後にコロナショックに会う。
退かぬ!媚びぬ!顧みぬ!の精神で資産を築いていく過程を書いたブログです。

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